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「あぁ、新しいクラスメートだ
自己紹介して」
担任の小杉の隣にたってる光流に促した
「えっと…寿 光流です
よろしくお願いします」
軽く挨拶を済ませると、小杉は光流の席を考え出した
「そうだなぁ
じゃぁ──寿の席は─」
「は~い、スギさん
あたしの隣でいいじゃん」
そう言って大きく手を振る1人の女子生徒
「そうだな
じゃぁ佐藤にお願いするか
頼んだぞ、佐藤」
「は~い」
「じゃぁ寿、佐藤の隣に行ってくれ」
小杉に言われ、返事をしてから歩き出す光流
机の間を通り後ろの席へと向かう
「宜しく
あたし佐藤 愛実 -サトウ アイミ-
ヒカルって呼んでいい?
あたしはアイミって呼んでね」
愛実は人懐っこい笑顔で挨拶してきた
「あっ、宜しく
もちろんいいよ、アイミちゃん」
光流も笑顔で返した
「違~う
ア・イ・ミだよ
“ちゃん”はいらない
わかった?」
「う、うんわかった
宜しく、アイミ」
愛実の迫力にタジタジの光流を余所に小杉は愛実に話し掛ける
「佐藤、あんまり寿を苛めるなよ」
「(え…)」
「んなことするわけないでしょ!」
本気で怒る愛実を見て良い人なんだと安心する光流
ケラケラ笑いながら更に話を続ける小杉
「冗談だよ
寿、佐藤は面倒見が良い奴だから休み時間を利用して校内を案内してもらえ
頼んだぞ、佐藤」
頷く光流に対して
「そんなことスギさんに言われなくてもする予定でした」
と、舌を出す愛実
クラス中が笑いに包まれた
光流も軽く笑みがこぼれた
「(このクラスならやっていけるかも)」
そう思った光流だった
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