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休み時間にと言われた校内案内が一時間目にすることになった
担任の小杉が
「どうせ一時間目は自習だから、案内してこい」
と先生の許可が出たのだ
一年の教室は四階にあるため、一度階段を下りてまず一階から
「この学校造りが可笑しくてさ、あたしも未だにわからないんだよねぇ」
「ぇ…
大丈夫なの?」
ちゃんと教室に戻れるのか不安になったが
「あっ、それは大丈夫
ただ、まだ行ったことがない場所があるってだけだからさ」
愛実の言葉を聞いて安堵の溜め息がこぼれた
「まず一階は昇降口
一般生徒の下駄箱と生徒会の下駄箱
あと先生たちの下駄箱でしょ」
「え?生徒会?
下駄箱って学年で分かれてるんじゃないの?」
「あ~
この学校はちょっと違うの
生徒会だけ特別なんだよねぇ」
「特別?」
「うん
でもよくわからない
あたしそういうの興味ないから」
愛実は本当に興味がないのか次へと歩き出した
「で、一階は第一家庭科室とコンピュータールームに美術室、木工室、生徒会室それと離れに食堂
二階が主に二年と三年の教室と職員室、あと第二音楽室
三階は第二家庭科室と第一音楽室と図書室、それにいろんな文化部の部室があるよ
四階はうちらの教室と各教科の教材室
まぁざっと案内したけどどう?
本当はまだいっぱい各教室があるんだけど、1年で使うのは主にそれぐらいだからさ」
「う~ん…
すぐには無理かも…」
頭を抱えた光流にクスクス笑う愛実
「大丈夫だよ
1ヶ月もすればある程度覚えるから」
「だといいなぁ
あたし、極度の方向オンチなんだよね…」
自分たちの教室に戻る途中の二人
そこで丁度一限目が終わるチャイムが鳴った
「あっあたしトイレ行きたい」
「あたしも
トイレの場所は覚えておかないとね」
二人で顔を見合わせ笑う二人
仲良くトイレに向かい、二人で教室に戻っていった
まだまだ学校の見取り図は頭に入ってはいないが、光流の中で一番惹かれたのがやはり図書室
お昼休みに行ってみようと、愛実に校内地図を書いてもらった
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