第一話 始まり

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気付けば俺は白い空間の中を漂っていた。 何故、俺はこんなところにいるのか--それを思い出す。 記憶に浮かぶのは、人通りの少ない裏道。気紛れで入ってみた、普段とは違う通り道。 ああ、そうか。俺は、死んだのか。 普段とは違う通りに入り、周りを見ながら歩いてた。塀の高い家の横の小さな十字路を、よく見ずに踏み出した。 そこで見たのは、俺に迫り来る乗用車。 おそらく、相手は普段、この通りを通っていたのだろう。だからこそ、油断した。俺も、初めて来た通りで景色に注意を向けすぎた。 だからこその、接触事故。悪いことをしたなあ、と思う。まあ、こちらはその代償として命を落としたわけだが。
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