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まあ、実際には俺はまだ死んでないのかもしれないが。このように意識があるわけだし、案外、夢現の状態かもしれない。死んだらどうなるか、知っている者なぞ存在しないのだから。
「ははっ、そんな状態でよく冷静でいられるね」
白い空間に声が響く。俺は、俺以外の存在がこの空間にいることに驚き、意識をそちらに向ける。
「やあ」
その存在が、気軽に手を上げる。
“それ“は青年の姿をしていた。髪は白髪で、着ている物は、ラフなズボンのみ。上半身は、裸。顔はこの世の存在のものなのかと思えるほど、整っており、俺が女なら顔を赤らめて目を逸らしていたかもしれない。
俺はそんな青年に顔を向け、口を開く
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