第一話 始まり

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「俺にそっちの趣味はないぞ」 「いや、オレにだってないよ」 青年に速攻で返された。 「てかこの状況で開口一番それかよ」 ごもっともである。 「かと言って、何を言ったらいいのか俺も混乱してるから………。冗談でも言わないと思考がまとまらん」 冗談言っただけでまとまるとは限らないが。 「うわあ、こりゃかなりの大物だわ。死にそうなのにここまで冷静でいられるとか」 「あ、やっぱり俺、死ぬのか。てか、まだ生きてるんだ」 結構驚いた。即死したかと思ったんだが………。 「虫の息だけどな。地球の現代技術を持ってして無理矢理生命を維持してるようなもんだから。それも、もってあと2日--いや、1日かな」 そっか、と口の中で呟く。
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