第一話 始まり

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「まあ、それは冗談として、こう呼ばせてもらうよ--イクス」 なんとなく頭に浮かんだ名前を口にする。 神--イクスは口を歪める。 「まあ、それならいいか。 それで、オレが来た本題に入らせてもらう」 俺は頷いて催促する。 「さっきも言ったとおり、俺は基本、世界に関して不干渉だ。だが、もちろん例外もある。 その例外の一つが世界滅亡の危機ってやつだ」 思わず目を見開く。 「それって、地球が滅亡の危機を迎えるってことか?」 「いや、違う。オレが管理している世界は複数あってな、そのうちの一つ、イグニスって世界が水面下で滅びに向かってるんだ」 「水面下?」 目に見えた滅びではないのか? 「その世界は魔法あり、科学なしの世界なんだ。もちろん、地球には存在し得ない魔物や魔族も存在する。 そんな世界において魔族は封印され、忘れ去られた存在だったはずなんだが、外部の世界から干渉を受けたらしくってな、その封印が解けちまったんだ。で、その世界の人々はそのことを知らない。このままじゃ結果的に外部世界の影響で滅んでしまう。 オレはそれを防がなきゃならん」 外部からの干渉がなけりゃ放置だったんだがな、とイクスは付け加える。
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