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 ―― side AYASE ―― 部長の身体の中に響く音に、耳を立てる。 「……部長?」 何回か呼び掛けても返事が返ってこないから、身体を離そうとした。 「もうちょっと……このままにしてて」 ほんの少し掠れた甘い声が、私の心臓をまた跳ね上げる。 まだ先には進めないけど、もっとちょっとだけ触れていたくて……抱きついたら、部長の大好きな香りがして……もう離れたくなくて。 「……ずっと好きでいていいですか?」 見上げたら、片手で口元を覆ってる部長の揺れる瞳が綺麗で、返事を待たずに、もっとキスして欲しくなった。 あんなこと言ってから、ものすごく恥ずかしくなって……私も抱きついて顔を隠した。 ずっと好きでいていいの? もう嫌いになっていい恋はしたくない。 「彩星が笑っていてくれるなら、俺と一緒にいて?」 私の両肩を押すように離れた部長がフワリと微笑む。 「ずっと離さないから。俺のこと、好きでいて」
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