【１１】文通

○月○日

前略　武幸宏殿

暑中見舞い申し上げる。

この度、内示で君が戻るまでの間、自分が非常勤をつとめることになった。
シラバス通りにすすめるつもりでいる。
君が早めに復帰できるようであればこの話はなかったことになる。もし療養が長引くようなら今後の予定も兼ねて一度打ち合わせをしたい。
東京へはいつ頃戻るか、大まかな日程でかまわないので連絡を請う。

取り急ぎ。

不一

尾上慎

追伸

先日、先生の紹介で見合いをした。この話、お受けすることになるだろう。伝で話がねじ曲がらない内に知らせておく。