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日中に吸収した熱を体内に内包したまま、
眠れない長い夜を迎える。
月が欠けるように、
明けない夜はない。
全てが移ろって行くのならば、
戯れに永遠を夢見ようか。
永い夜の楽園は、
きっと両手を差し伸べて我々の来訪を待ち望んでいる。
引き換えには、
決して大人にならない望みを。
「……先生のマンションまで」
手製弁当のミートボールを食べながら答えると、
初等科から高等科までを同じクラスで過ごした友人が、
含んでいた苺ミルク牛乳を危うく吹き出しそうになった。
発端は授業中、
友人への投げ文だ。
教師の目を盗み、
端末ではなく、
綺麗に折り畳んだ手紙を机に投げ込んだ。
そもそもは友人が、
予鈴の鐘が鳴り終わってからしばらく、
派手に息を切らして教室へ飛び込んできたからである。
ホームルームでは、
服装検査が行われていた。
普段結ばないタイをリボンにした彼女たちが一斉に振り返る。
「遅刻、な」
若い担任教師の言葉に、
友人は頭を下げてから席に辿り着く。
一時限目の授業で睡魔と闘う最中に送った文の返事が、
すぐにノートの切れ端で返送されてくる。
幼馴染みの彼とはどうなったの? が、
こちらの最初の質問。
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