第1章

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今日の運勢 × 今日は一年で一番悪い日。一日気をつけて行動してください。 ラッキーアイテム 青い靴 よし。青い靴は履いた。これで大丈夫。 「あっ!ヤバい、急がないとバスに乗り遅れる」 青い靴とか探すのに時間掛かったから。急がなきゃ。 ミャー 「ん?猫。えっ!黒猫?」 この道を直進はダメってこと?急いでるのに。どうしよう。 んー。やっぱりダメ、時間が無い。今日は大事なデートなの。 大丈夫、大丈夫。走って抜ければ大丈夫。 「ハァハァ、もう大丈夫かな?」 結局バス停まで走ちゃった。バスの時間は?良かった間に合ってる。回り道してたら間に合わなかった。 でも…、黒猫がいる道を通ったけど大丈夫かな。 六日前 「一週間、運勢が良くありません」 「一週間ですか?」 「家から北の方角。黒猫。シルバーアクセサリー。お酒。差し歯。あと行動に気をつけてください」 でも、黒猫だけだから。大体、私には差し歯ないし、考えて見れば胡散臭い占い師だったから、大丈夫か。 「あっ、バスが来た」 ん?今日は日曜なのに多いな。付いてない。立ちっぱなしか。 席空かないかな。特にこのおばさん、降りてくれると直ぐ座れるけど。 「きゃっ、何?」 「大変申し訳ございません。子どもの飛び出しがありましたので、急ブレーキを掛けました。お怪我されたお客様いらっしゃいませんか」 「……」 「では、発車します」 「では」じゃないわよ。本当どこのクソガキよ。 あれ?白いのが靴に乗ってる。これなに? 「あっ、それ私の差し歯」 「えっ、あっ、どうぞ」 「ありがとう。さっきの急ブレーキで少し頭ぶつけたの、その時に落ちたみたい」 「そうですか」 最悪。人の差し歯触る何て。 「あら!綺麗な靴ねー」 「あっ、ありがとうございます」 「紺色?」 「えっ、青です」 「そう?紺だと思うけど」 「頑張ってね」 「ありがとうございます」 疲れた。結局座れないし、色々と聞いてくるし。デートのことまで喋っちゃったし。最後まで紺て言うし。 でも、この靴…青? 「おー、久しぶり」 またまた最悪、こんな日に。 「何だよ、嫌そうな顔して、昔の男は忘れたのかよ」 ウザ。中学の頃で一週間だけだから。あっ、シルバーアクセサリー。私は着けれないのに。 「何だよ、ジロジロ見て」 「別に」 確かにこれは災難。差し歯といい、あの占い師もバカにできないか。
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