第1章

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「急ぐから」 「冷てーな。もしかして、デートか?」 「関係ない」 「関係ないこともないだろ」 「もう!しつこい」 「俺の彼女に何のようだ?」 えっ。嘘。 「何だテメェ」 「彼女に何のようだ」 どうして?待ち合わせは、ここから反対側の公園なのに。 「コイツが本当に彼氏かよ?」 「えっ!…そっ、そうよ」 「本当か?」 「そう言ってるでしょ」 「そっか、でも、こんなヤツめとけよ」 「何?関係ないでしょ」 「関係ないか…、俺は注意はしたぜ」 何、格好付けてるのバッカみたい。 「オイ」 「うっ!」 「何するのよ!」 「コイツに何か有ったら許さねーぞ」 何言っての頭おかしいの?何かしてるのアンタじゃない。 「大丈夫ですか」 「大丈夫。でも結構パンチの利いた人と付き合ってたんだね」 「昔はあんな風じゃなかったんですよ」 「ゴメン、昔の彼を悪く言うつもりは無かったんだ」 「あっ、いえ」今度こそ、今度こそ当たり。殴られても、こんなこと言えるなんて。 「今日、車で来たんだドライブでも行こうか」 「うん」 「いい車ですね」 「そうかな?普通の乗用車だよ」 「そんなこと。どこにドライブですか?」 「◯◯山に行こう。今、花が綺麗だから」 「いいですね」 「良かった。後、これコーヒーだけど、自分で淹れたんだけど、良かったら飲んで」 「本当ですか。いただきます」 結婚したら、朝コーヒー淹れてくれるのも悪くないかも。 「おいしい」 「本当、冷めてない?」 「大丈夫です。あっ。」 左側の歯が一本無い。殴られた時に折れた? 「歯は大丈夫ですか?」 「歯?あー本当だ、大丈夫。差し歯だから」 「良かっ」 差し歯?まさかね。でも…、◯◯山は家から北、偶然…。 嘘…、人指し指にはシルバーリングはめてる。確か…出会た場所はバーだった。 考えすぎ。たまたま状況が重なっただけ。 「でも彼、何で僕に止めとけって」 「気にしないで下さい。あの男、頭おかしいですよ。でも、前に変な事を言ってました。警察にお世話になって、施設入って、色々な人間見てきたから、目を見たら、危ないヤツは分かるって。」 「例えば」 あれ?車の鍵に付いてるキーホルダー…。 「人を殺しそうなヤツとか?」 「何で……?」 「良い感してるな」 えっ………。 色々あった 最悪の一日 あれから二年 今も 元彼と 山に埋まってる
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