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「そんなあ……私は皆が居てくれるから助けられてるのね。皆、それぞれが持っている力を存分に出し支えてくれているのね。私なんてたいしたことない……皆のおかげなのね」
謙虚さを忘れず、部下達のいいところをしっかり見てくれている。
佐藤部長の良いところだ。
「佐々木くんの良いところは、真面目なところなのね。妥協や手抜きはしない……たとえ時間がかかることでも、挫けない」
「すみません。僕はいつも時間がかかり過ぎるって……『時の間に合わない』『まるで松本千秋だ』と……」
僕はよく先輩方に『遅いことは猿でもする』と注意を受けるんだ。
急ぎたいけど、なかなか思うようにいかない。
大学時代の勉強のようにはうまくいかないんだ。
こんなはずじゃなかったのに……
僕は入社と同時に、なんでも言われたことはこなせる、仕事のできる人間になれると思っていた。
現実と想像とは随分違っている。
できるイケリーマンへの道は遠いなあ。
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