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その日から何日経ったか―――
仕事をしていくうち、やっと自分にも余裕ができた頃、部署内の……いや、会社内のあることに気づいた。
部長がとても慕われていることに。
いや、“慕われている”にも色んなのがあるが、上司として尊敬され、人柄のよさから“慕われている”と言うレベルを……
遥かに越えていることに。
ウチの部署だけでなく、他の部署の男性社員達、そして他所の会社の社員まで。
それに反し、女性社員の部長に対しての冷ややかさは驚くと同時に、さらなる謎でしかない。
「佐々木くん…」
そんな頭が謎だらけの僕を、ある日先輩女性社員達が呼び止めた。
「佐々木くんさあ、佐藤部長とペアなんでしょ?」
「あ……はい」
彼女達は首を傾げ何かを話し合っている。
「佐々木くんて、なんで饅頭の尻を追わないの?もしかして、気のない素振り?」
「は?ま…饅頭……えっと…背中は追ってますが……なぜ僕が部長の尻を追わないといけないんですか?」
訝しがる僕を見て『聞いてみる?』と確認しあう。
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