.:*:。 小動物な漢(ひと) ・゚:*:・'°☆

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「佐々木く~ん!佐々木くぅ~ん!どこね?」 今朝も佐藤部長の僕を呼ぶ声が響く。 「部長に呼ばれたら迅速に対応しろ!」 「お待たせするとは、いったい何様のつもりだ!!」 先輩方がことあるごとに僕の粗を見つけ怒声を浴びせる。 ただし、部長には聞こえないような声でだけど。 「佐々木くん、今日はこれから私と一緒に外回りに行くね」 部長は普通サイズのビジネスバッグを苦労して持ち上げ、書類を中に入れる。 「は……はい。了解です」 「「「いけませんっ!!」」」 僕の声が霞むほど、何人かの先輩達が大きな声でハモり立ち上がった。 「外回りに行かれるのでしたら、腕のたつ護衛をつけてください」 「佐々木では荷が重すぎます」 「部長の身に何かあってからでは遅いんです」 先の先輩方に呼応し、他の先輩方も口々に部長を止める。
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