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「なるほど。ならば今すぐ社長に……」
「大丈夫なのね!!」
部長が声を大にした。
「私はもう40なのね。普通のいい年をした大人でオジサンなのね。過剰な護衛なんていらないのね」
「し……しかし…」
「佐々木くんだっているのね。車で行くからお昼過ぎには戻ってくるのね」
みんな不安なのかオロオロしている。
「さあ、佐々木くん。行くのね」
「はい……行って参ります」
先輩方に頭を下げ、僕は慌てて部長の後を追おうと向きを変えたところ、体を何本もの腕に鷲掴みにされた。
「いいか、佐々木ぃ!頼んだぞ!万が一があってはならん!命にかえても部長をお守りするのだ」
「い……いのちぃ!?」
さぁーっと血が足下に集中していく。
頭に酸素も血も回ってこない僕に、先輩達はさらに顔を近づける。
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