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「うん♪ブルーも良さそうなのね。さっそく今日の帰りに探してみるのね♪」
パンッと頭に豆電球が浮かんだような顔をして、佐藤部長は手を打った。
「そんな……僕なんかの直感ですから。もっと吟味した方がいいのでは……」
「そんなことないのね。さすが佐々木くん、若い人は目の付け所が違うのね。それにブルーなら私の大人の魅力が際立っちゃうかしれないのね♪まいっちゃうのねぇ?♪」
(いや……全然まいってないっしょ…。一応冗談のつもりなんだろうけど……)
クネクネと蒟蒻を立てたような佐藤部長に、思わず呆れてツッコミを入れ掛けた僕の耳に、アノ鈍いモーター音が……
「ですよねえ?。佐藤部長の持つ星のきらめきのような魅力が、走る度にただ漏れになりますよねえ」
「もう?♪照れちゃうのね?♪佐々木くんには負けちゃうのね」
(僕は勝ちたくなんかないです……)
すっかり機嫌をよくした佐藤部長は、鼻歌まじりでバッグを愛車の前かごに入れ、引ったくり防止ネットを付ける。
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