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「でもね、佐々木くん。なんてことない直感が、やがてこれからの仕事にも反映されてくるのね。だから自分を信じ、自分のスタイルを崩さないことからなのね」
格言とも言うべき、佐藤部長のお言葉は、僕の脳と心に染み込んでくるようだ。
「はい……ありがとうございます」
「私は佐々木くんに期待してるのね。君は他人とは違う色をしているのね」
「い……色?COLORですか?キャラのことかな?」
「その人を形成し、取り囲む色……あとはちょっと憑かれやすいから、気を付けるのね」
憑かれやすいって……何に?
『ヨイショ♪』と愛車に乗った佐藤部長は、おそらく青くなっていたであろう僕を驚かせるよう、警笛ラッパを鳴らした。
「心配いらないのね。私が一緒だから大丈夫なのね」
「は……はあ……」
力が入らない僕は、それでも佐藤部長に励まされながら取引先の会社に向かった。
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