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「佐藤さん、どうでしょう?どうか今宵こそ私と一度……」
そして必ず、誘われている。
サラリーマン必須の“接待”と言うのがこれかな?
これからの成績にも大きく影響しかねない。
「すまないのね。あいにく今日も先約が入ってるのね」
だが、佐藤部長は軽く手慣れた様子でかわし、ペコリと頭を下げる。
「そうですか……佐藤さんならお忙しいのも無理ないでしょうなあ。ですが、いつでも……い・つ・で・も構いませんから、ご連絡いただければ、私は最優先で時間を作りますので……」
どの会社でも、相手の方はかなりご執心なのか名残惜しそうだ。
佐藤部長は商談さえ成立すれば興味ないらしく、ピョンとソファーから降りると、背伸びをして握手だけ済ませピョコピョコ去っていく。
オンとオフの切り替えがはっきりしているのかもしれない。
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