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佐藤部長の使った座布団に顔を埋め、臭いに浸っている重役の方が……
激しく浮き上がるほど座布団を吸い上げ、『しゅこー…しゅこー……』っとどこから漏れているのかガスマスクでも着けているような呼吸音が聞こえる。
30秒くらいして座布団から顔を離すと、その人は額に玉のような汗を吹き出させたまま恍惚の表情を浮かべ、自分の股間をまさぐり、目は虚ろでヨダレまで垂らしていた。
しかも、使ったカップやスプーンが御丁寧にジッパー付きの袋で保存されているではないか。
その後を想像したら、体がぶるると震えた。
僕の存在に気づくことなく、その人はもどかしそうにそのままベルトを外しにかかったもんだから、僕は悲鳴をあげそうになったのを堪え後ずさる。
結局、僕はペンを諦め逃げるように応接室を後にした。
心臓が跳ね上がる。
仮にもその会社では重要なポストにいるんだろう?
そんな人があんな姿を……
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