.:*:。 小動物な漢(ひと) ・゚:*:・'°☆

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僕は佐藤部長と時間も行動も共にすることが、おそらく社内の誰よりも多い。 つまり四六時中、饅頭フェロモンを全身で感知しているはずなんだ。 それなのに、佐藤部長に関わる僕以外の男性陣のようには……つまりは、理性と戦わなければならないくらい血迷いそうには全然ならない。 僕にだって、人様には見せびらかしたりしないが、ちゃんと付くものは付いているし、性徴期もそれなりには…… 人並みに思春期にありがちな裸体の女人写真や、赤裸々な男女の営み映像のお世話になり、大人の階段を少しずつ踏みしめてきたんだ。 だからと言って安易に壁を越してやろうと女体に軽々しく飛び付くこともなく、僕はひたすら僕が思い描いた筆下ろしを夢見て、その日のために大切に守り慈しみ今日まで来た。 けれど間違っても、モテなかったわけではない。 中高と清い交際をしたことはあるが、大学生になったら勉強が楽しくて、誰かに時間を割く気持ちになれなかっただけだ。
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