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先輩方は興奮し、肩で息をしながらハンカチで額の汗を拭う。
「こうなったら、佐々木も外回りより中の仕事をもっと希望しろ。『勝負パンツじゃないから無理』『稲荷が定まらず歩けません』『尻の穴に異物感があるから行けません』くらい言えないのか」
「い……言えたとしても、僕にはそんな上司に楯突くような力は…」
それに、まともな理由が何故ないんだ?
下半身ネタばっかりじゃないか。
「まっ……ないな。佐々木は安全以外、何の取り柄もないから致し方ない」
「GPS機能のある犬が護衛のようなもの。佐藤部長が御一人よりマシだ。贅沢は言えない」
「この際、部長の貞操さえ守れるなら、諸君、多少の不満も目を瞑ろうではないか」
『確かにそうだ』『佐々木、すまなかったな』『頼んだぞ』と先輩達は満面の笑顔だ。
先輩達は佐藤部長しか見えてなくて、僕に言ったことも腹の中の本心で、それは今の僕のおかれている立場から言うと紛れもない事実!
仕方ないんだろうけど……
そうなんだろうけど……
ひどい言われようじゃね?
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