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席に戻ると、佐藤部長はなにか呪文のような言葉と言うか、宇宙と交信でもしているような声を発し、指が見えないスピードで文書作成をしていた。
邪魔しちゃダメだと声を掛けないでいたら、ちょうどプリントアウトし、出てきた紙を持ち『佐々木くう～ん』と僕を呼んだ。
佐藤部長が僕を呼ぶ『～ん』が終わらないうちに素早く立ち上がり、僕は風のように佐藤部長の横に立った。
あまり何度も呼ばれるようなことがあると、全員に呪いをかけられそうなのだ。
「ここに名前と印鑑押して欲しいのね」
「は……はあ」
指をさした紙の字は、どう言うわけか新聞の文字のように小さく、レイアウトはばっちりなんだろうけど、びっしりと敷き詰めたように書かれている。
僕はよくわからないまま、線を引かれている場所に名前を書き、何度か目をぱちぱちさせながら、○に“印”と書かれた場所に自分のはんこを押した。
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