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「しかし、最初からたった一人と言うのは心細いかもしれないな。なんなら佐藤部長のお姿でも撮らせていただくか?」
「それはいい案だ。私が撮影をお願いしてやろう。私の携帯で……」
「いやいや、こう言うときこそ私が行こうではないか。頼みにくいことでも、ここは先輩として……」
先輩たちは、皆それぞれに携帯を出し、我先に佐藤部長の元へ行こうと押し合いになった。
「どうしたのね?おしくらまんじゅうでもしてるのね?」
佐藤部長はキョトンとした顔で先輩たちを見上げる。
「いえ……佐々木がホームシックになってはいけないと思いまして…」
「我々は一人でも寂しくないようにと、研修会の折には佐藤部長のお姿を持たせてやろうと…」
先輩たちは一斉に佐藤部長へ向けて撮影体勢に入った。
「佐々木くん、ホームシックになるのね?」
「い……いや…それは……」
この場合は、先輩たちの空気を十分に読んで、当然『YES』のはず!
「恥ずかしながら、少しばかり……」
これでいいんですよね?
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