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「佐藤部長ぉ、滞りなく拙者がお届けもうしました」
提出に行ってくれた先輩が呼吸を整え整え、鼻を膨らませて得意気に胸を張ると、バタリバタリと次々に何人かが倒れいく。
「ど、どうしたんだ?」
その先輩も事の成り行きを聞き、髪をさらに白くさせて倒れた。
「みんなどうしたのね?気圧が合わなくなったのね?心配なのね~……」
先輩達は共に支え合いながら、『大丈夫です』と笑顔だが、口の横から泡が……
「僕も曲がりなりにも成人男性ですし、一人でも平気ですので、やはり部長はここを守っていただいた方がよろしいかと……」
僕なりに勇気を振り絞って言ってみた。
先輩達の親指が一斉に立ち上がるのがイタイ。
「私は……みんなと食べる美味しいお土産を買うのを楽しみにしていたのね……ホテルの料理も…ケーキ食べたくて……」
先輩達の稲妻の視線が突き刺さる。
「か、会社にさえ支障がありませなんだら、それがしは御同行願いたい所存でござりまする。いかがなもので御座りましょうや」
もう自分でも、焦って何言ってんのかわからない。
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