.:*:。 上司と言う漢(ひと) ・゚:*:・'°☆

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「す……すみませんでした!僕が……僕が……」 立ち上がり深々と頭を下げる僕に 「私が悪かったのね。彼のせいじゃないのね」 輪の中心から部長の高い声が聞こえた。 「すまなかったのね。今日は愛車の補助輪が溝に脱輪して引っ掛かってしまったのね。運の悪いことに人通りが少ない道で、私まで挟まって動けなくなってしまったのね」 「なっ……お怪我はありませんでしたか」 先輩方はまた部長を一斉に見る。 「たまたま通り掛かった人に助けてもらって、会社まで送ってもらったのね」 一同、ホッと安堵の息を吐く。 「それに、私は怪我はないけど毛がないのね。あははは…」 (さ……寒い…) ブルッと寒気がしたのは僕だけのようで、みんな和やかに笑っている。 (社会人て……大変だな…) うっかり口にしそうになり、口を押さえた僕に『今年我が部署に一人入った新入社員は君なのね?』と声がかけられた。 「はい」 「初めまして。部長の佐藤饅頭郎なのね。よろしくなのね」 先輩方の輪が開いた。
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