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「それで…  どうやって此処へ来たかだったわよね?」 頷く、クライド。 彼。 いや。 余所から来て帰れ無くなった者達にとっては、切実な問題でもある。 「簡単に告げたら…  魔術よ、魔術」 そう告げる、ユーリス。 「簡単にし過ぎだ。  バカ」 ケインからの突っ込み。 「この天才魔導師のユーリス様にバカって…  勇気あんのねぇ」 シレッと。 「そう言う意味じゃねぇっ!  それに俺は勇者。  勇気だけはあるそうだからな」 なんだか投げ遣り。 相手するのが面倒って感じだろうか。 「わ~ったわよ。  そうね。  簡単に告げると…  転移して来たのよ、転移」 さも、当たり前の様に。 「て、転移ですか?  しかしアレは…  対となる魔法陣が必要だった筈。  もしくは、行った事があり状況が把握できる場所のみでしたよね。  それに転移できる距離に制限があった筈です」 思い出す様に告げる、クライド。 すると… ユーリスが感心した様に… 「へぇ~っ。  良く知っているわねっ。  アンタさぁ…  本当に兵士な訳?」 ユーリスの言葉に、警護の兵がキョトン。 「おかしな事を申されますね。  兵士でなければ、なんだと?」 ニヒルに笑いながら告げる。 「ふふっ。  どう考えても騎士でしょ。  おそらく任命される騎士は1人。  兵士が畏縮するから身分を隠しての従事。  違うかしら?」 「いい加減な事を言わないで頂きたい。  何を根拠に?」 苦汁切った顔。 「転移の絡繰りなんて、1兵士は知らないわよ。  アナタ…  教養が高過ぎて不自然よ。  まぁ、良いわ。  まず、転移場所はケインの記憶から場所を選定したの。  そして天の目と言う新たな魔術で場所を確認。  転移魔法陣をブーストの魔法陣で補助して転移距離を稼ぎ転移ね。  正直に言うわよ。  私以外の力では、神以外では此処へは来れないから」 堂々と言い切る、ユーリス。 呆気にとられた様に彼女を見る、クライドであった。 まだまだ突っ込み所はあるが… 魔導の内容に関わり過ぎる。 流石に詳しくは教えてくれないだろう。 だが… 「では…  そこまでの労力を払って、アナタ方は何故此処へ?」 そう。 何故、彼ら此処へ訪れたのか… 不可解な、クライドであった。
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