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夜の始まり、道頓堀のドンキホーテ前は人が溢れている。
杉田が入り口に着くと、すでに山上が待っていた。
「遅れてすいません」と声を掛けると、杉田の鼻を、今度は男物の香水が強く突いた。
「お疲れさん。何か、そっちは大変やったね」
「山上さん達は、張り込みでしたよね」
山上が歩きだし、人にぶつからない様に杉田は続く。
「昨日の晩からな、こっちは、特に不審な動きはないわ。なんか、営業されたんやろ?」
柳下が言ったのかと、杉田は顔を歪める。
「柳下さん、熱くなってたけど、令状下りるんか微妙やなあ」
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