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大阪で一番有名だろう、川沿いに賑やかな看板がある、戎橋からすぐ。
長く伸びる商店街の裏は、宗右衛門町(そえもんちょう)という飲み屋街だ。
平日の七時過ぎだが、男達や、出勤前の女達が道に溢れている。
そんな道を、タクシーが遠慮なく走り、杉田は山上の後ろで必死だ。
「着いたで。杉田君、分かってるやろうけど」
派手な看板がない、落ちついた雰囲気のビルの前。
山上が止まり、振り返る。
「……刑事だって事は、言いませんよ」
「馬鹿か。そんなんより、大事な事や」
山上は、真剣な顔で杉田に言った。
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