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「俺は、フリーで入るから、杉田君が、例の子指名しいや」
「はあ」と杉田が返すと、山上は店の玄関に入っていった。
少し遅れて入ると、すぐに、女モノのキツい香水の匂いがした。
ほとんど灯りがない廊下を通ると、オレンジの光が眩しい場所に出た。
「おおっ、やっぱ、すごいな」
天井には、キラキラと輝く、大きなシャンデリア。
壁は茶色で、並ぶ丸い形のソファと、テーブルは黒。
いたるところに生花が置かれ、広い店の奥から、グランドピアノの生演奏が聞こえる。
外の喧騒が嘘の様で、杉田は、ここも異国だなと思った。
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