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『本日は、白鳥家、和田家の結婚披露宴に~~~』
「お、そろそろ披露宴始まる。行くか。」
「おう。」
修二に促され、会場に入る俺たち。
俺たちの席には、そのほかの高校の同級生たちが集められ、さっき修二としたような会話を数人と交わした。
「んじゃ、3次会行くやつ~!!!」
どこにでもいる仕切り屋。
俺は、そいつの声を聞きながら、流れとは別の方向に歩き始めた。
数人と別れの挨拶をしていなかったが、どうせ近々、別の同級生の結婚式で会うだろう。
なんとなくかったるくて、ゆっくり歩いていると、誰かが俺の肩をつかんだ。
「昴も帰る組?」
修二だった。
思わず強張る身体を、
「うん。疲れた。」
と苦笑いでごまかした。
「俺も。」
そう言いながら、地下鉄の駅までの道を歩いた。
こうやって、肩を並べて歩くのも12年ぶり。
「ひとまわりか。」
ふと、修二がつぶやいた。
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