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「お待たせ!悪い!打ち合わせが長引いた!」
30分おくれて、修二が待ち合わせ場所にやってきた。
元々、人間観察が好きな俺は、のんびり人の行動を観察できたのだ、そんなに苦ではなかった。
「なぁ、こういう時のために、携帯教えといて。」
段取りが悪いといえばそうかもしれないが、俺たちは、合流した後、連絡先を交換した。
入ったのは、なんでもない普通の居酒屋。
「サラリーマン、って感じだな。」
そう言って、修二はビールジョッキを傾ける。
「デザイナーった大変だろ?締め切り前だと、徹夜とかあんの?」
話題はもっぱら仕事のこと。
「徹夜なんてしょっちゅうで、珍しいことじゃないよ。」
「えーまじでー?きっついなぁ。なぁ、昴が作った中で、一番有名なやつなに?」
やけに俺の仕事に興味を示している。
まぁ、デザイナーなんて言うと、ぱっと見、華やかなのかもしれないが、その実、厳しい締め切りと、わがままなクライアントに振り回される、何でも屋みたいなもんだ。
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