序章

2/10
前へ
/108ページ
次へ
古の時代……この世には人間のほかに「妖怪」と言う、 限りなく人に近い姿をしている者や 獣のような姿の妖怪が居た。 多く不思議な能力を持つ妖怪たちは、 天変地異や災厄を引き起こすと恐れられ、 畏怖し、ときとして「神の化身」として崇められてきた。 妖怪と人間は、こうして長いあいだ共存し、 妖怪と人間が交じり合い・・・ 妖怪の血と能力を受け継いだ者たち、 「半妖」と言う者たちが現れ始めた。 半妖が持つ能力は、いろんなモノがあった。 大岩を砕くほどの怪力を持つ者や、 手を当てるだけで傷を癒す者などが居た。 そして、人はいつしか、 「妖怪」と「半妖」たちの力を利用し、 天下を獲ろうと、考え始め・・・ 人は強い力を持つ「妖怪」たちを 家来たちに命じて捕らえ、 術を使って操る様になった。 そんな中・・・人間たちが捜し求めた妖怪がいた。 それは……人間の間では伝説とされている “永遠の命”を持つ鬼と言う妖怪だった。 人間がその鬼の血を飲むと、 人間では無くなる事を引き換えに “鬼”の強大な力と同様に“永遠の命”が 手に入れる事が出来ると言われていた。 人間たちの間では、 「我こそが天下を獲り!!永遠の命を得る者」という、 欲望の争いが日本の各地で、 いくつか歴史に残った・・・戦国時代。 そんな中で人間に劣っていると 言われていた妖怪たちは次第に知識を持ち始め、 弱気人間たちを食料したり、 人を自分たちの家来にし・・・ 人間と同様に“永遠の命”も求め始めた。 いつしか、人間と・・・妖怪は、 互いの欲を満たす為に、 利用し合う世になった。 この物語は、陸奥の北の側・・・ 津軽氏(青森県)の地に、 生まれた彼らが愛、死闘、血と哀しみ・・・ そして、友情の物語である。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加