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幼子は自分の母親が息絶えていく姿に、
心から混乱と動揺が入り混じった表情で、
母親の亡骸を何度も・・・何度も揺らした。
だが、ピクリとも母親の亡骸は動く事がなかった。
「・・・!」
幼子が母親の亡骸を揺らしている様子を、
母親を殺した張本人は芸を見るかのように
腹を抱えて笑っていた。
「はっはっは~!!」
「お前のかぁちゃんは、死んでいるだぞ~!!」
幼子は涙を流しながら、
母親を殺した兵士たちをにらみ付けた。
「・・・・!」
またも、兵士たちは腹をかかえて笑う。
「はっはっは~!!親の仇でも、獲るか?」
兵士の1人は自分の手に持っていた小刀を
幼子の前に投げつけた。
「それで、俺らを殺して、
かぁちゃんの仇を獲れよう~!!」
その時、大笑いする兵士たちの背後では、
たまたま通りかかった鎧を着た男と
日傘を差した女性が見ていた。
「あらぁ?あれって、高森の兵士たちが
また御館様の領土で人狩りをしているわねぇ」
男性はめんどくさそうに、
頭をかいでシンたちの方へと歩き始めた。
「しゃあ~・・ねぇなぁ」
男性は兵士たちに近寄り、声をかける。
「おい!!お前ら!!」
兵士たちは男の方を振り返る。
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