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幼子は目の前でトキが戦う姿が可憐過ぎて、
まるで演芸を行われている様で興奮する。
今まで、言葉を発して居なかった幼子の口から
小さいながらも「スゲ~」と呟いた。
幼子のそんな言葉に、
霞は少し驚いた顔で見るが、
すぐに目線をトキたちの方に戻した。
「トキ~!!そろそろ遊びを終わりしたら?」
「そうだなぁ」
トキは自分の刀で受け止めていた
1人の兵士の一撃をはじき返すと。
素早く動き、兵士たちを斬る。
「マジかよ・・・」
兵士たちは息絶えた。
トキは刀を鞘に閉まい、幼子に近寄る。
「おい、坊主」
トキの一言で幼子は我に返り怯える。
「・・・!」
トキは目線を幼子のそばで、
母親の亡骸を向けた。
「お前・・・親を殺されたのか?」
ゆっくりと、幼子は頷いた。
トキは子供と目線を近くする為に、
片肘をつけた。
「そうか。お前、名は?」
「シン・・・」
「俺は、トキだ。そして、
オレの隣にいるは―――」
トキは顔を霞のほうに向けた。
「こいつは、天狗って言う妖怪の霞だ」
霞は片手に持て居た日傘をとじた。
「よろしく」
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