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──「菫ちゃん、悪いんだけど今日お店手伝ってくれない?」
土曜日の午後3時。
仕事を終えて自室でくつろぐ私に、心底申し訳なさそうに頼む母を見て、珍しいなーと思いつつ
「明日休みだしいいけど、調子でも悪いの?」
母は、小さな小料理屋を営んでいる。
料理も接客も好きだからと始めたお店は、今では近所のおじさん達の癒しになっていると思う。
「ううん、昨日お客さんが持って来てくれた日本酒が美味しくって...」
「飲みすぎちゃったわけね」
「...えへ」
えへ、じゃないし...
まぁ滅多にないお母さんの頼み事だからいいけど。
「今日は飲みすぎないでね~」
なんて軽口を叩きながら、私は内心
久しぶりにお店に立つ事に楽しみを感じていた。
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