青春

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そんでもって、ものの数分で弁当を平らげたわけなんだが。 いつになったら飲み物を買いに行った二人は戻ってくるんだ? なんて思ってたら、夕陽からメールが届いた。 メールに件名はなし。 いつも絵文字やら顔文字を使いまくる夕陽らしくない、とても簡潔な本文。 『見つかった、すぐ逃げて』 無駄の省かれいっそ美しいくらいに簡単な、それだけの本文。 これはつまりアレか? 飲み物を買いに行ったら光に見つかって、夕陽あたりがあらいざらい吐いたってことか? そして、光がこちらに向かっていると言うことなのか? 「これ、逃げた方がいい、んだよね?」 悠哉が不安げな声で俺に問う、どうやら一斉送信で悠哉にも送られていたらしい。 「あっはっはっ、逃げる?何言ってんだよ!」 俺が笑ってそう答えると悠哉は驚いたように目を見開き、その後安心したように小さく溜息を吐く。 そしてそれを確認してから俺は一言 「当たり前だろ!」 そう言って立ち上がり、駆け出した。 勿論、悠哉の腕を引いてな。
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