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エピローグ
桜が咲きそうで咲かない、3月の中旬。
俺と美紀は一緒に桜並木を歩いていた。
美紀は今さっきナンパした女の子だ。
俺はいつもの様に桜並木で女性が通るのを待っていた。
ナンパしてお茶を誘ったら美紀はお茶に付き合ってくれるといい、
美紀と一緒に桜並木を抜けることとなった。
「なんで私を?」
彼女はうれしそうなでも悲しそうな表情で聞いてきた。
「意味なんてないよ。
そこらへんはナンパするんだったら変わらないだろ?」
俺がこうしてナンパするように
なったのは去年のある事件を境にだ。
俺は大切な彼女がいた。何年も一緒にいた
なのにあの時、彼女は俺の前から姿を消した。
俺は約束の場所、桜並木で彼女を待っていた。
桜が咲いていたころ、君はいなくなった。
ただただ待っているしかできない俺は泣くことも忘れて立っている。
これは俺が高校生だったときの話…
君と僕との10の約束の…
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