第1章 “発端”

11/18
前へ
/115ページ
次へ
祐文の手段は捜査と言うにはあまりに単純なモノだった。 それは祐文が以前補導し今でも伝手のある少年少女達とその友人達の中にいる事件を起こした少年A・B・C・Dの四人が通っている中学校のOB及びOGに協力してもらい彼らも未だ参加している中学校の生徒が大多数利用しているSNSの生徒同士のグループ内トークや個別トーク履歴を調べ、特に少年A達に関する情報を全て調べあげていくという手口で、短時間で大量の情報が集まるが眉唾物な情報やガセネタも多い為に慎重に集まった情報を精査する必要がある。 またこの手段は電気通信事業法に抵触している為サービスを提供している会社に事前に調査協力を取り付けておく必要がある。 またそれらの手続きは中々煩雑でありこの手のサイバー関連専門の部署が無く、あったとしても中央に比べ組織がまだまだ不十分な地方警察では、手馴れていない事も多い為に手続きに手間取る。 しかしそれらの障害を祐文達・少年課の刑事達はものともせず捜査・及び集まった情報を精査し事件発生から5日目にはもう事件が起きた背景と原因を特定する。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加