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「リーダー格のAの立ち回りが見事だったからでしょうね。A自身はあまり直接的にイジメ行為には加わらずBとC、それに自身のグループの人間にうまく指示して実に巧妙に苦痛を与えていた様です。またAは学業もスポーツも優秀で成績は常に学年でTOP5、部活動のサッカーでは二年生ながらレギュラーで主将 リーダーシップを発揮してチームを県大会まで進めるまでのレベルに引き上げまた自身も将来有望な選手で高校サッカーの強豪校やプロチームのスカウトも注目していたそうです」
「その上に中々のイケメン…学業も優秀、スポーツも万能。しかもその事を鼻に掛けず人当たりも良いとなったら、裏で1人の人間をイジメ倒していたなんて誰も信じないだろうな」
先輩刑事は心底気分が悪い様子で祐文にそう返す。
「いえ、実を言うとA達が佐々野君をイジメている事を一部の生徒や教師も知っていたそうです。ただ…生徒達からすればその事を教師や大人達に告げ口した場合、今度は自分達がイジメの標的にされかねない為に皆 黙っていたそうです」
「…生徒の方は仕方ないにしても学校や教師共の対応はどうだったんだ?」
「…聞きます?」
「正直言えばどういう対応をとったのなんて吐き気がする程解りきっているが…一応聞こう」
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