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「…どうやら学校や教育委員会の方々、それにA達も言い逃れできそうに無い事態が起こったようです」
「どういう事だ?」
「これを見て下さい」
そう言って祐文は、先輩刑事に新しく上がってきた捜査資料を手渡す。 そこには恐らく何処かの地下鉄の線路に佐々野少年を突き落として、必死に線路から駅のホームに這い上がろうとしている佐々野少年に幾人かの少年達が暴行を加えつつピースをしている写真が添付されていた。
「この写真は?」
「事件が起きる数日前に携帯で撮られたモノです。この時 暴行にはA達とはまた違ったグループも参加しておりその内の1人が暴行の様子を写真に撮りそれをSNSや動画サイトに投稿していたモノです」
「…これって不味くないか?」
「…非常に不味いですね。SNSや動画サイトを運営しているサービス会社は投稿された画像や動画・コメント等を削除しまくっているようですが、もうかなり拡散してしまっているみたいです」
「そうなるとAやB・C、それに佐々野少年、学校や担任や教師達の個人情報が流出・拡散するのは時間の問題って訳か…」
「忙しくなりそうですね…」
祐文はそう先輩刑事に言うと、新たに上がってきた捜査資料の精査とBとCへの事情聴取の為に情報の裏付けや証拠の整理に取り組む。
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