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『ここはあなた方 地球人がいう所の“異世界”と呼ばれる世界ですよ。黒井祐文さん』
突然 背後から声を掛けられた祐文は驚き、反射的に振り返るとそこには異質な雰囲気の男が佇んでいた。
「失礼ですが貴方は?」
『私はギシェムと言います。この世界で数多く存在する神様の一柱をやらせて頂いております。以後 お見知り置きを』
祐文の問いにギシェムと名乗る胡散臭げな男は平然とそう答える。 突然背後から現れてココは異世界だとか、自分は神様だとのたまうギシェムという男に祐文は強い警戒感を覚える。
『私の言う事を信じる信じないのは別としても…そんなに警戒心を抱かなくても大丈夫ですよ』
「!?…貴方は他人の心が読めるのですか?」
自分自身が抱いていた疑念を言い当てられた祐文は思わずそんな事を尋ねてしまう。
『ハハハ…そんな事をしなくても祐文さんの顔には、私への疑念と警戒が丸出しになってましたよ』
(そんな事をしなくても、という事はやろうと思えば他人の心をどの程度までは解らないが、読めるという事か…)
祐文はそう考えつつ、この自称神様の言っている事が本当かどうか探る為に会話を続ける。
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