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廃墟内部は長らく無人だった為に埃が溜まっており、祐文達が歩く度にそれが舞う。
「全く、相変わらずヒドイ所だな…こんな場所を溜まり場にして悪さをしたがるガキ共の心理が解らねぇ」
埃や塵が舞う建物内の壁のそこかしこにペンキやカラー・スプレーで描かれたと思われる落書きや、ココを溜まり場か縄張りにしているカラー・ギャングや珍走団のチーム名がでかでかと描かれているのを見て先輩刑事は呆れた様子でそう呟く。
「子供達には子供達だけの社会、コミュニティが存在していてソレを他者に、特に大人達に介入されるのを彼らはひどく嫌がりますからね」
「それでこんな所で悪さをしているって訳か…まあ悪さをしてくるのはガキ共だけじゃなくて、ろくでもない大人達もだがな」
「―確かこの廃墟、4~5年前まで××組系列の組織がクスリや今で言う違法ドラッグ絡みの取り引きや売買に使ってた場所でしたね」
「これは昔からよくある話だが、悪ガキは悪い大人達に上納金を払って悪さをして粋がる…」
「まさかソレ関連のトラブルかも知れないと?」
「場所が場所だけにな。そう言う可能性も考えておいた方がいいかもしれんな」
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