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テレビの中の佐々野斗唯がそう語ると、それを見ている佐々野少年は急に顔色を悪くしてここから先は見たくないとばかりに画面から目を逸らそうとするが、体の自由が利かず結局 最後まで見届ける破目になる。
[中二の春、席替えで隣になったEは本当にいい奴だ。話も合うし困った事があったら相談に乗ってもくれたし助けてもくれた…何より名前の事で僕の事をただの一度も笑いはしなかった]
『やめろ・・・・』
[嬉しかった。人生で初めて友人が出来たんだと喜び、Eの事を親友だと思った…だからEに“少し困ってる事があるから話を聞いて欲しい”と相談を持ち掛けられた時、何の迷いも無く相談を受ける事にした]
『やめろっ・・・・!』
それまで映っていた白い背景のみのテレビ画面の映像が切り替わり、次に映し出されたのはどこかの集合住宅の廃墟だった。
[話を聞く為にEが指定した待ち合わせ場所に行くとEはおらず代わりに同じクラスでDQNとして恐れられているBとC。それに何故か優等生として知られているAもそこにいた…そして僕は何が何だか訳が解らないままBとCに袋叩きにされた。Aは“顔とか他人に見える部分はやめとけよ”と、ケタケタ笑いながら自分は直接手を出さずBとCに指示していた]
『やめてくれっ・・・・!』
[次の日、学校に行きEから直接事情を聞こうとしたが…Eは僕の事など存在していなかのように徹底的に無視し、代わりにBとCがほぼ毎日のようにすり寄ってきた。
その時 初めて何故Eが名前の事とかでクラスでも孤立していた僕に近付いて来たのかに気付き絶望し…地獄の日々が始まったんだ]
『頼むからもうやめてくれっ!!』
そう叫んだ佐々野少年は自身の腰掛けている椅子を持ち上げるとソレをテレビに狂ったように何度も叩きつけ画面もろともテレビを破壊し尽くす。
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