第4章 ”闇“

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『ハアハアハア・・・・』 テレビを壊し荒い息遣いで呼吸し何とか心の均衡を保つ佐々野少年だったが、次の瞬間又も突然に書き割りのようなリビング・ルームが消えて…気が付くと、自分が通っている中学校の視聴覚教室にいた。 『ハハハ・・・・頭が変になりそうだ』 佐々野少年が精神的に追い詰められ壊れた笑みを浮かべそう呟くと、視聴覚教室に据え付けられている大きなスクリーンに又も もう一人の自分が現れる。それを見た佐々野少年はもうどうにでもなれという投げやりな気持ちになり、後はもうただ呆然とスクリーンを眺める。 [A、それにBとCはとても強欲で残酷な連中でその欲深さには上限が無いように思えた] スクリーンの中でBとCは佐々野少年に直接危害を加える事に飽きたらず、佐々野少年に自身の、あるいは家族の金銭や所持品を寄越す事を要求したり、万引きや窃盗・道端に停めてある自転車やバイクや車をおもしろ半分に壊す事や…野良犬や野良猫・時には誰かのペットの動物をモデルガンやボウガン 又は金属バットや特殊警棒でこれまたおもしろ半分に撃ち殺したり、叩き殺す事すら強要された…断れば自分が徹底的に袋叩きされた。 [絶え間ない苦痛だった・・どうにかしてこの地獄の日々から抜け出そうとあらゆる手段を講じてみた。けれど・・・] 『けれど、全て無意味だった』
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