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メキッ…バキッ ボキッ グキッ! バキ バキ バキ ゴキン!!
そんな異様で異常な音と共に佐々野少年の体が内側からグズグズに砕かれかき混ぜられ…何か人間とは明らかに異なる生き物に変化してゆく…
そのあまりに突発的で異常な現象に流石の祐文も、そして神であるはずのギシェムですら何もできず呆気に取られただただその様子を見ているだけしか出来なかった。
「■■■■■■■ー!!」
先程まで佐々野少年だった謎の生き物…というよりも怪物は、人間には聞き取る事が出来ない、あるいは聞く事すら耐え難い異質な産声を上げる。
その姿は巨大な犬のような姿で長い体毛に覆われており、熊の脚部に似た爪の無い四肢を持っている。最も異様で特徴的なのは頭部、より正確に言うならば顔面に目・鼻・口・耳が無く、首の後ろに口のような穴があり先程のあの聞く者に悪寒や不安感を与える異様な産声を発したのもその穴であった。
体長は約4メートル程で頭と体躯の高さは約3メートルという巨体、体毛は汚水を彷彿とさせる濁った灰色でその体毛に覆われている身体は青白く全体的に不気味で不吉、醜悪さと恐ろしさをごちゃ混ぜにしたような姿だった。
「…ギシェム、改めて問うが佐々野君の身に何が起こったんだ?」
『破戒』
目の前で起きた急激な状況変化に心身共に混乱しそうになるのを何とか押さえ込んだ祐文は改めてギシェムに佐々野少年の身に一体何が起きたのかを尋ねギシェムは一言そう返す。
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