第5章 “変貌”

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「破戒? 地球にも同じ言葉はあるが…」 『言葉は同じでも祐文さん達の世界で使われているモノとは意味が少し異なりますがね』 「どういう事だ?」 『破戒とは、本来眷族何らかの理由により契約を交わした神に無断であるいは力づくで自身の器以上の神の力を過剰に吸い上げる事で神の力に呑まれ、自我や意識を失い暴走。狂戦士化する事ですが…』 「アレはどう見たって自我や意識を失っているとか、狂戦士化するとか、そんな生易しいレベルじゃあ無いぞっ!」 『確かに祐文さんの言う通りです。アレは勇者ササノ・トーイの想い…というよりも怨念に応え彼が契約を交わした神が通常の破戒とは比べものにならない程の力を過剰に与えているからですね』 ギシェムは佐々野少年が怪物化した原理を淡々と祐文に説明する。その様子は今までの人を喰ったようなおちゃらけた感じは一切無く真剣そのものであり、その事実が祐文に今 自分達が置かれている状況の厳しさを否が応でも感じさせる。
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