第5章 “変貌”

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(この怪物の活動を完全に停止させるにはやはり “アソコ“ に直接 衝撃を与えるしかないな) 今までより更にクリアになった頭の中でそう冷酷に思考した祐文は早速 投げ飛ばされて未だに起き上がれず悶え苦しんでいる怪物の光り輝く眷族たる証の模様・召喚陣が浮かび上がっている胸部、正確に言うならその奥にある臓器 心臓をめがけ、左足でしっかりと大地を踏み込みつつ、歩行や移動の際に使用した重心移動の要領で重心を急激に沈下させながら右足を左足で踏み込んだ力を弾けさせるイメージで、怪物の心臓に鉄の鎚を打ちつけるようにただ踏み抜く。 ズン! 「■■■■■■■■■■―!!」 ただ怪物の体を踏み抜いただけにもかかわらず、祐文と怪物のいる地点を中心に大地が震え腹に響くような重低音が木霊し更に怪物の苦悶の絶叫が響く。 (心臓を守っている 肋骨・筋肉・脂肪が思っていた以上に硬く厚い。一撃で仕留めるのやはり難しいか…ならばっ!!) 祐文は心の中でそう呟くと、気を引き締め直しより正確により集中して怪物の心臓を再び踏み抜く。 ズウゥゥン!! 先程より更に大きな重低音が木霊し更に祐文と怪物のいる地点の地面が陥没する。 そしてこれほどまでの強力な衝撃を叩きつけられた怪物の心臓、心室は機能不全状態に陥り血液を全身に送れなくなり一種の心室細動状態になり暫くしてその活動を完全に停止する。
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