第1章

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樹にもたれかかって、星を見上げる この灰色の世界で生きてきて、毎日続けて来たこと この樹のすぐ傍に、ガラクタを積み上げよう どうせ夜以外はすることがないんだ しばらくは夜以外は寝て過ごしていた そういえば、いつからだったのだろう 寂しさを忘れすぐに寝付けるようになったのは 昔は寂しくて全然寝れなかったのに いつからだったかなぁ……忘れちゃった さて、今はちょうど正午くらいかな ちょっと暑いけど、ガラクタ集めを始めよう 今日から夜になるまでは毎日ガラクタ積みだ 不老不死になってから、疲れは感じなくなった 時間も永遠にある どれくらい積めば星に手が届くのかはわからないけど 頑張っていこう とりあえずこの近くのガラクタから集めていこうかな そういえばずっと昔に、私と似た女の子のお話があった気がする 病気の女の子が、歌を歌いながらガラクタを組み立てて、ロボットの友達を作る話 その女の子はずっと一人ぼっちで ずっと一人歌を歌ってた でもやっぱり一人は寂しくて 長い長い時間をかけてガラクタを集めて小さなお友達を作るんだ いつかこのお友達と一緒に遊ぶことを夢みて 何年も経った頃、ロボットは完成した 小さくて歪な形をしていたけど、何とか完成した やっと出来たお友達に喜んで、女の子はロボットの手を握って外に出ようとしたんだけど ロボットの手は簡単に壊れて、全部崩れていった 女の子は気付いた ガラクタで作ったものは、ガラクタなんだって そして女の子は、一人ぼっちのまま病気で死んだ そんな悲しいお話 お話の中で女の子が良く口ずさんでいた歌、なんだったかなぁ 思い出せないや 思い出したところで、私には歌えないんだけどね でも、悲しいお話だったけど 女の子は結局、一人ぼっちの時間を終えることが出来たんだよね いいなぁ 私のお話は永遠に終わらないから 女の子が少し、羨ましい ねぇ 星ともっと距離を縮めることができたら、少しは寂しくなくなるかな 女の子はガラクタでお友達を作った 私はガラクタで、星の塔を作ろう 今までは見上げるだけだったけど いつかきっと
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