第1章

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ガラクタを集めるのは、結構しんどい 不老不死になっただけで身体能力があがったわけじゃない 疲れは感じないけど、身体は赤い果実を食べた時のまんまなんだ だからこの身体は…… えっと…… 赤い果実を食べた時、私何歳だったのかな 確か10歳くらいだった気がする 実際の年齢は違うけど、身体は10歳のままだから、重いガラクタは中々動かせない とりあえずしばらくは動かせるガラクタだけ集めてこよう 落ちているガラクタは、元は建物だったり車の部品だったり、遥か昔に人が作ったものの成れの果て 百年も野ざらしにしてたから元が何だったかわからなくなってるものが殆どだけど 昔私が人の温もりを感じたくて、人が存在していた証を探していたときは、まだ原型はあったんだけどね 食器や服、誰かの写真を見付けては寂しさを紛らわそうとしてたけど、結局は無駄だった 今思えば当然だけどね 私が本当に求めていたのはそんなものじゃなかったんだから はぁ… しかし……今日は暑いなぁ 世界が滅んでから、雨は滅多に降らなくなった 酷いときは数年降らない時もあったっけ だから昼間は常に太陽が顔を出している 夏はほんとに地獄だ 夏の季節は常に夜が来るまで木陰で寝ていた 寒いのは平気なんだけど、暑さには特に弱い見たいで 肌がジリジリするあの感覚は凄く苦手 この暑さ、もうすぐ夏が来そうだなぁ 動けるうちにたくさんガラクタ集めておかないと 幸いこの近くは私でも持って動かせるガラクタがいっぱい落ちてる 両手でなんとか動かせるもの 片手で動かせるもの 手のひらサイズの小さいもの 片っ端から集めていく 少しずつ少しずつ ガラクタを集めていった 集めて、集めて、気が付いたら日が沈みかけている 何時間も休みなく集めたけど、思っていたほど量はなかった とりあえず今あるガラクタを積み重ねようかな 大きいガラクタ小さいガラクタ 歪なパズルのように地面に並べていく 出来るだけ隙間のないよう 重ねて重ねて うまく重ならなかったら別のガラクタを重ねて 私のくるぶしまで積み上げることが出来た時には、完全に夜になり綺麗な星が出ていた 私は積み上げたガラクタの上に座り星を眺める ちょっとだけ、距離が縮まったような気がした ねぇ 待っててね また明日も、頑張ろう
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