第十三話 今日も、また

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「澤ちゃん、あのね。」 「なあに。」 「今日の天気は?」 「晴れのち、雪かな。」 「だと思った。」 「何でわかんだよ。」 「だって、雪の匂いがした。」 「すげーな、お前。」 「鼻いいんだってば。」 「そうだな。」 「そうだよ。」 お前が俺を導いてくれたように、今度は俺がお前を導く。 今日も、またお前は俺に問いかける。 「澤ちゃん、あのね。」 俺は答える。 「なあに。」 その答えは、俺だけがお前に伝えるんだ。 今までも、そして、これからも。 「澤ちゃんの今日の昼飯、お好み焼きだったの?」 「何でわかんだよ。」 「だって、思いっきり匂い染みついてるよ。」 わかりやすいのも、計算の内だ。 とだけ、言っておこう。お前には内緒だけどな。 目なんて見えなくても、俺がお前の隣にいてやるよ。ずっとな。 fin.
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